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テンカラとは
日本で古くから職業漁師と言われる人たちが使ってきた釣法で、
毛バリのみで渓流魚(アマゴやイワナなど)を狙うもの。
職業というだけあって、その仕掛けはとてもシンプルで、“竿・糸・毛バリ”のみという、
非常に合理的かつ洗練された釣りと言えます。
シンプルであるが故に技術が要求され、確かに難しい釣りではあります。
しかし、難しいからこそ、釣れた時の喜びはひとしおなのです。
最近では、海外でもテンカラ人気がではじめています。
フライフィッシングをさらにお手軽にしたようなシンプルさが受けているのでしょう。
テンカラとフライフィッシングの違い
①テンカラにはリールがない
テンカラは、流れの速い、川幅の狭い川で釣るのものですので、リールは要りません。
竿と糸をめいっぱい伸ばした範囲が射程距離となります。
そのため、魚との距離はかなり近くなります。
フライフィッシングはリールに糸をたくさん巻いておけますので、
遠くまで毛バリを飛ばすことが出来ます。
本流など川幅の広い、ゆったりとした流れの川に向いている釣りです。
②ラインの違い
テンカラではレベルラインという比較的軽いラインを使います。
以前はテーパーラインという“より糸”が一般的だったのですが、今ではレベルラインが主流です。
フライでは太くて重い“フライライン”を使います。
この糸の重みで毛バリを遠くまで運ぶことが出来ます。
③毛バリの違い
毛バリそのものに大きな違いはありません。
フライ用の毛バリを併用することも可能ですし、特に明確な区別があるわけでもありません。
ですが、毛バリに対する考え方は大きく変わってきます。
テンカラでは、速い流れの中で流れてるエサを魚もよく見えていないだろうと考えます。
だから、とにかく虫っぽく見えさせすればなんでいいという、わりと雑な扱いです。
魚の気分に合わせてころころ毛バリを変えるより、
釣れる魚だけをさっさと釣ってしまえ!という、いかにも職業漁師的な発想が見て取れます。
一方、フライはと言うと、毛バリへの思い入れが半端なく伝わってきます。
「match the hatch」と言われるように、魚がその時期に何を食べているかをちゃんと考えています。
エサとなる水生昆虫や羽虫に似せて作られた色とりどりの毛バリを、
季節や状況に応じて使い分けています。
テンカラの仕掛け
テンカラ竿
長さは3.6mが目安となります。
本流域で川幅が広ければ4m以上の竿を、
源流域で川幅が狭ければ3m以下の竿を使った方がより良いというだけのこと。
長い方が飛距離は出るが、狭いところだと短い方が振りやすい。
ちょうどういいのが3.6m前後ということですね。
私が初めて購入した竿は3.2mでした。
テンカラのスタートキットに付いてきた竿です。
今は3.1mと3.6mの両方の長さに変えられる2wayタイプのものを使用しています。
川幅が狭く、竿が振りにくいと感じたら短く出来るので優れものです。
詳しくはこちら
https://shigejii.com/2020/03/18/tenkara-new-rod/
竿の調子
竿がどこを起点にして曲がるかで調子が決まります。
先調子(7:3)の竿は、穂先の方を起点に曲がります。
胴調子(6:4)の竿は、より手元側を起点に曲がります。
数字表記で書いてある竿もあります。
先調子の竿の方が、キャスト精度が高くなります。
胴調子だと、精度は下がるが飛距離がでるので、より遠くへ毛バリを運べます。
玄人になると”誘い”や”合わせ”の時の違いなども判るのでしょうが、私にはわかりません。
どっちに重点をおくかは、使う人次第となります。
メインライン
私はレベルラインの3.5号を使用しています。
ライントラブルも少なく、扱いやすいので断然お勧めです。
レベルラインの特徴
・単一素材で太さが均一。フロロカーボンなどが多い
・テーパーラインより安価
・長さ調節がしやすい
・糸寄れしにくい
テーパーラインの特徴
・より糸なのでライン自体に重みがあって投げやすい
・レベルラインより高価
・絡まりやすい
ハリス
0.8号~1号程度のフロロカーボンを使用します。
レベルラインは蛍光色で太さもあるので、釣り人からも魚からもよく見えます。
ハリスはショックリーダーの役目と、魚に糸の存在を気付かせない役目があります。
細い方が、より魚へのプレッシャーは少なくなります。
が、細すぎるとすぐに切れてしまいます。
私は岩太郎0.8号を使用しています。
毛バリ
毛バリにはサイズがあります。
とりあえず、♯14(14番と読む)を買っておけば間違いないでしょう。
♯12 > ♯14 > ♯16 といった感じで、
数が小さくなると毛バリのサイズが大きくなります。
一番よく見かけるのは♯12ですが、これはトップシーズンに使うもの。
つまり、魚の活性が高い=よく釣れる時期、に活躍するサイズ。
それ以外の時期、寒さやプレッシャーの高い時期には、
♯14や♯16といったより小さなサイズにします。
私はフライ用の手の込んだ毛バリを使用しています。
何故かって?
そっちの方が釣れそうな気がするから(笑)
それに、お気に入りの毛バリの方がテンションもあがるし、
信じて投げ続けることができる。
でも、あまり釣り具屋にはおいてないんですよね。
フライショップに行けば色々選べますが、フライショップ自体数が少ないのが現状です。
なので、いつもネットで購入しています。
1本150円前後です。
それほど頻繁になくなるものでもないので、定期的にまとめて購入しています。
最後に
とりあえず、これだけあればテンカラ釣りをすぐにでも始められます。
もっとも、川に入るにはそれなりの装備が必要となりますので、その辺りはまた別の機会に。
また渓流で釣りをするには、遊漁料が必要になります。
釣りたい川の漁業協同組合で購入してください。
1日券で3,000円前後、年間券で10,000円前後が相場ではないでしょうか。
”地名+遊漁料”で検索すると、何かしらの情報は出てきます。
最悪の場合でも現場券なるものが存在します。
遊漁券を持たずに釣りをしていて、監視員に見つかった時に支払うものです。
1,000~2,000円の割増料金になりますので、あまり気分のいいものではありません。
ルールを守って釣りを楽しみましょう。
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