『テンカラ入門編』 テンカララインの選び方

テンカラ
Angler
職業漁師になりたい!とまでは思いませんが、シンプルな道具と己の技術だけを頼りに魚と向き合うストイックなスタイルに憧れてテンカラを始めました。しかし、現実は想像以上に厳しかった。魚を釣るどころか枝と格闘するばかりの日々。そんなツッコミどころ満載の私ですが、ビギナーならではの視点でテンカラの魅力をお伝えできればなと思います。

 

テンカラのラインシステム

テンカラは至ってシンプルな仕掛けですので、メインライン(毛バリを飛ばす為に自重を持たせたライン)とハリスのみで構成されています。穂先にメインラインを繋ぎ、そしてハリスをつけるだけ。フライのような複雑なラインシステムは不要です。

メインラインの長さ + ハリス(約1m) = ロッドの長さ

メインラインの役割は軽い毛バリを遠く飛ばすこと、そして視認性を高めることです。ハリスは細く透明である為、少し離れると目視できなくなります。メインラインの動きを見てアタリをとったり、毛バリの所在を確かめる必要があります。

ハリスの役割は言うまでもなく、魚に違和感を与えない為の繋ぎ役です。仮に太いメインラインに直結で毛バリがついていたら、それは魚にとって違和感でしかありません。

 

メインラインは3種類

テーパーライン

細い化学繊維を数本合わせたより糸のライン。レベルラインが登場するまでは主流だったラインです。

良い点

  • テンカラのラインのなかでは一番自重があるのでキャストがしやすい

悪い点

  • 強く引っ張ると、よりが緩みヨレヨレになってしまう
  • 長さが決まって売られているので、ライン交換や長さ調整がしにくい
  • 高価

テンカラを始めたての頃に使っていた「冨士流テーパーライン」は、ラインの所々に結び目がついていました。今思えばですが、これはきっと緩み防止の為なのだと考えられます。

しかし、ラインの扱いに不慣れな超ビギナーの私は、この結び目にラインが絡まってしまうことが多々ありました。それが嫌でレベルラインに変えました。


 

レベルライン

テーパーラインの次に登場し、現在の主流となっているラインです。フロロカーボン素材(ナイロン製のものもある)の単糸=1本の糸です。

良い点

  • テーパーラインよりは軽いが、適度な重さがあり毛バリを飛ばしやすい
  • 自分の好みの長さにカットできるので、ライン交換や長さ調整がとても簡単
  • 安価
  • 蛍光色などが多く、視認性が高い

悪い点

  • 糸くせがつきやすい

 

とても扱いやすいラインで自分の好みの長さにカットして使うことができます。テーパラインよりは軽いので、慣れるまでは飛ばしづらく感じるかもしれませんが、すぐに慣れます。

レベルラインに変えてから、ライントラブルが激減しました。糸癖が付きやすく、仕掛け巻から出したときにすこし引っ張って糸癖を直す必要がありますが、それを除けば万能なラインと言えます。

 

ストレートライン

レベルラインの糸癖が付きやすいという欠点を補った、新素材(ポリアリレート繊維)の組糸構造のライン。

テンカラ大王石垣氏の監修によって作られたラインで、「ストレートライン」と「ストレートライン・パワフル」の2種類が販売されています。

ノーマルとパワフルの違いは、糸の太さと強度です。ノーマルの風に弱いとされる弱点を少し補ったものがパワフルということです。

 

良い点

  • なんといっても糸癖がつきにくい
  • レベルラインと同じ感覚で、カットして自在に長さを調整できる
  • 強度が強い

悪い点

  • 比較的高価
  • 市販されている種類が少ない

 

現在、主にこのラインを使用しています。自重はテーパーラインとレベルラインの間くらいですが、とても使い易いラインだと思います。風に弱いという評判もありますが、強風が吹けば釣りにならないのはどのラインを使っていても同じことですので、その点はあまり気にならないです。

比較的高価ではありますが頻繁に交換するものでもないので、長く使えば十分なコストパフォーマンスは得られます。

私は投げ始める前に水に浸けてから投げるようにしています。そうすることで少し水を含むのか、投げやすさが増すような気がしています。(あくまで個人的な見解です)



 

ハリスは2種類

ハリスの素材はどちらでもいいです。強度にさほどの差はありませんので、あくまで好みの問題となります。

素材の特徴としては以下のようになりますが、自分のスタイル(毛バリを浮かすのか、沈めるのか)によって使い分けるのが良いと思います。

フロロカーボンの特徴

    • 根ずれに強い
    • 硬くて張りがあるので絡まりにくく、感度も良い
    • 比重が重く水に沈むので、毛バリを沈めたい人向き
    • 比重の関係で沈むと見えなくなるので、魚に違和感を与えることなく自然に流せる


ナイロン

  • しなやかで軽いので風の抵抗を受けやすい(=飛びにくい)
  • 比重が軽いので、毛バリを浮かせたい人向き
  • フロロより若干安価


ラインの選び方

一番のお勧めはストレートライン・パワフルです。レベルラインでも全く問題ないのですが、糸癖が付きやすい点を考慮するなら、最初からストレートラインが手っ取り早いのではないかと思います。

「初心者は重さのあるテーパーラインから。」という人もいますが、それはあくまで使い比べた人の意見です。確かに自重があるので、比べてみるとテーパラインの方がキャストがやりやすいはずです。

しかし、最初からストレートラインやレベルラインを使っている人にすれば、それが当たり前となりますので気にする必要はないかと思います。要は慣れてしまえばいいだけの事です。

レベルライン・テーパーラインの号数

基準は“3.5号”

レベルラインを選ぶ際には、3.5号を基準にして下さい。ストレートラインやテーパーラインには号数表記のないものもあります。

3.5号に慣れてきたころに3号にしてもいいかもしれません。細くなると軽くなるのでキャストは難しくなりますが、その分魚へのプレッシャーは少なくなりますのでメリットはあります。

逆に、どうしてもキャストがうまくいかない場合は、4号にすると良いです。太くなった分だけラインが重くなるので、多少キャストがやりやすくなります。

 

ハリスの号数

基準は“1号”

こちらも慣れてきたら細く(0.8号)にしてみるといいです。細い方が魚に見破られにくくなります。但し、細くなると切れやすくもなりますので、その点を考慮にいれてお好みの号数を模索してみてください。

素材は、フロロでもナイロンでも大差はありません。私は張りのあるラインが好きなので、フロロを使っています。

 

 

まとめ

  • メインラインの長さ + ハリス(約1m) = ロッドの長さ
  • メインラインは3種類(テーパーライン・レベルライン・ストレートライン)
  • ハリスは2種類(フロロとナイロン)
  • お薦めのメインラインはストレートライン・パワフル
  • ハリスの素材はフロロでもナイロンでもどちらでも良い
  • メインラインの基準は3.5号
  • ハリスの基準は1号

 

 

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