こんにちは、シゲジイです。

 

ランニング途中に、季節外れの桜を発見しました。

こんな時期に咲く桜もあるんだなぁと、関心しながら近寄るとご丁寧に名前までぶら下げてくれています。

開花時期はと言うと・・・

3月～4月・・・・うーん、完全に間違えとるなー（笑）

 

陽光桜（ヨウコウザクラ）

今は11月中旬。

寒暖の差と、この2，3日続く日中の暖かい日差しのせいで春と思ったのでしょうかね。

おっちょこちょいな桜です。

春に、もう一度花を咲かせてくれるといいのですが。

 

陽光桜という名前でピンと来た人もいるはずです。

実はこの桜、2015年に映画にもなった有名な桜だったのです。（映画「陽光桜 -YOKO THE CHERRY BLOSSOM-」 ）

 

戦時中に教師だった高岡正明さんが、戦地へと送った教え子達の弔いの為に、改良を重ねて作り出した思いのこもった桜なのです。

生徒たちが若い命を散らした南方の亜熱帯や、シベリアの極寒の地でも咲くことの出来る桜を作りたいと、

25年もの歳月をかけて完成させた平和のシンボルが、この陽光桜なのです。

 

そうか！

だからこんなに寒くても花を咲かせているのか。

周りにも桜の木があるが、咲いているのは、この陽光桜ただ一本だけ。

そう思って眺めていると、思いもかけず、深く考えさせられます。

「ちゃんと咲いていますよ！」って声に出して言いたくなります。

 

シンボルとしての桜

陽光桜は平和のシンボルとして植えられましたが、戦時中の桜はそうではありませんでした。

ぱっと咲いて、ぱっと散る。

そんな、軍人の潔さのシンボルとして桜は存在していました。

陸軍兵舎には必ず桜が植えられ、桜のように潔く散れと教えられていたのではないでしょうか。

高岡さんの教え子たちも、そんな桜の木の下で学び、そして戦地へ送られてしまったのでしょう。

桜は軍歌にもよく登場しますし、陸軍も海軍も共に桜をシンボルマークとしていましたので、

戦争を深く連想させる花でもあります。

 

海軍のマークは、桜の花弁。桜を正面から見たもの。

華々しい戦争をする海軍を表しているそうです。

陸軍のマークは、金の五芒星。ですが、実はこれも桜なのです。

桜の花を裏から見たもので、ガクの部分を表しています。

陸軍が戦争を締めくくるという意味でガクがシンボルになりました。

 

国花としての桜

日本の国花は二つ、桜と菊です。

国民の誰からも愛される花が桜。

日本の象徴としての花が菊。

そんなイメージで私はとらえています。

 

菊花紋章は天皇家の家紋に用いられているので、象徴というイメージに直結します。

また靖国神社や、戦艦大和の艦首にも菊紋がついていますよね。

菊紋を掲げていると皇軍といった印象になります。

大日本帝国の桜といい、大和の菊紋といい戦争のイメージが付きまといます。

 

桜の雑学

何百種類もある桜の中で、超有名な品種は　ソメイヨシノ　ですよね。

 

日本の桜の8割がこのソメイヨシノだと言われています。

つまり、公園なんかで普段目にする桜は、大抵がソメイヨシノというわけです。

圧倒的なシェアですね。

 

ですが、このソメイヨシノには意外な事実が隠されていました。

それは・・・

 

全国のソメイヨシノのＤＮＡは全て同じだということです。

そうです、すべて同じ桜なんです。

つまり、種から育った桜ではなく、人の手で増やされたクローンなのです。

 

えええっ！

なんかちょっと裏切られた気分です。

桜が咲き誇る様をみて、自然の美しさや力強さみたいなものを感じていたはずなのに、

全部、作り物だったなんて・・・

 

元は一本だったソメイヨシノを接ぎ木や挿し木をして、今の数まで増やしたそうです。

稀に自然交配する事もあるそうですが、ソメイヨシノの特徴を引き継ぐことはできないそうです。

 

うーん、一体誰が特許とっているのだろか？

ぼろ儲けやんか！とつい卑しい考えを膨らませてしまいます。

 

元々は、江戸（染井という地名）の植木屋が作り出した品種です。

昔の桜の名所と言えば奈良の吉野。秀吉が茶会をしたことでも有名です。

その、吉野の桜を江戸でも楽しむために作り出されたのが、このソメイヨシノ。

当初は吉野桜と呼ばれていたそうですが、吉野に自生する山桜と区別する為に染井吉野（ソメイヨシノ）と変更されたそうです。

よっ、植木屋！

特許取っていれば、大金持ちになれたでしょうね。

 

 

しかし、日本人の桜好きには脱帽です。

シェア80％にもなる数の桜をせっせと植えてきたのですから。

しかも、クローンって・・・。

 

普段、何気なく見ている桜ですが、人の思いと手間が込められているんだなと感じました。

 

では、今日はこの辺で。